PV
あらすじ
数多の妖怪が人の姿で棲まう街、
<灯影街(ひかげまち)>
灯影街の妖怪を管理すべく、帝都が極秘裏に組織した人間の部隊<刀衆>に、
新人隊員である<楓>が配属される。
人ならざる者の世界に戸惑いながらも、
不思議な懐かしさを覚える楓。
そんな中、灯影街で、人斬りならぬ、妖怪斬り事件が起こる。
その刀の傷から、人間の仕業に違いないと、
刀衆を責め立てる妖怪たち。
刀衆は、無実を証明するため、
大妖怪である烏天狗のとある提案を受け入れる。
一方、獣憑きたちは、ある理由から、
雲外鏡の持つ「罪を見通せる万華鏡」を手に入れようと奔走していた——
登場人物
刀衆 (かたなしゅう)
灯影街の妖怪を管理するため、帝都が極秘裏に組織した特殊部隊。
妖怪による人間界への出入りや、人間との必要以上な接触を制限し、人間が灯影街へ迷い込んでしまったときは、
記憶を操作して人間界へ返す役目を負っている。
英を隊長とする第壱番隊と、重を隊長とする第弐番隊が存在する。
妖怪 (ようかい)
不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在。何のきっかけでどのように誕生するのか一切不明。
不老不死である。妖(あやかし)または物の怪(もののけ)とも呼ばれる。
古の時代には、人間界で暮らす神や神の使いと呼ばれる妖怪も存在した。
灯影街ではその多くが人の形を取り暮らしているが、人型になれない力の弱いものもいる。
獣憑き (けものつき)
妖力を持った獣に取り憑かれた元人間。妖怪にも人間にも属さない存在。
獣に取り憑かれた瞬間から不老不死となる。
死線を彷徨う人間が取り憑かれやすく、アズマたちはみな自分の意志とは関係なく死線を越え人ならざる存在となった。
大昔のことで紫西は覚えていないが、おそらくみなと同じだったと感じている。
背景設定
灯影街 (ひかげまち)
人間界と合わせ鏡のように存在し、妖怪が人の姿を取り生活している街。
ときどき人間が迷い込むことがある。
人間界からの通信、テレビやラジオ、スマートフォンなどの電波は届かず、生活する人間は刀衆のみである。
刀衆の詰所 (かたなしゅうのつめしょ)
灯影街の端に建つ、刀衆の待機所。
内装は黒・金・赤を基調とし、アンティークの家具が並ぶ豪華なつくり。
食堂や浴場などの共有スペースの他、個人の部屋がある。
家事の殆どは式神が担っている。
森の広場 (もりのひろば)
灯影街のすぐ傍の森にある広場。
広場の中央には盛られた土でできた平台があり、舞台や試合場のようになっている。
周囲には屋台が立ち並ぶ。
幻界 (げんかい)
人間の立ち入れない妖怪の世界。
いくつかの階層に分かれており、深い階層では妖力の弱い者は存在できず、人間もまた生きることができない。
浅い階層であっても刀衆は立ち入ることは許されていない。
蛟は灯影街より、幻界にいることが多い。
幻界・森の祠 (げんかい・もりのほこら)
人間の立ち入れない幻界深くの森にある祠。
泉に囲まれ、空気の澄んだ神聖な場所。
蛇の獣憑きである紫西の棲み家となっている。
解説
- 刀衆の名前 (かたなしゅうのなまえ)
- 妖怪に真名を取られないため、刀衆は本名から取った一文字を名乗ることが定められている。
- 監察係 (かんさつがかり)
- 中央から派遣され、刀衆を監視する役職。
現在は、英がその役を担っている。
- 式神 (しきがみ)
- 刀衆の詰所で調理や掃除、洗濯など家事全般や雑用を行う。
人型の紙を依り代とし、刀衆の術法によって人の姿・形を取り活動する。
- 人間界 (にんげんかい)
- 人間の住む世界。
- らーめん葛ノ葉 (らーめんくずのは)
- 九尾の狐が灯影街の中心で経営するラーメン屋。灯影街では珍しく、人間界風のラーメンを提供するため、妖怪だけではなく刀衆も利用している。詠にいたっては入り浸っている。
店主自らが調理することは滅多になく、概ねセルフサービスとなっている。
名物のトッピングは油揚げ。